❷ 公益財団法人 日本ケアフィット共育機構 障害者就労支援事業所ケアフィットファームで施設長・サービス管理責任者を務めています、竹川華(たけかわ・はな)さん(49歳)にお話を伺いました。 農業を中心とした6次産業化を目指した施設で、主に生食、ワイン用のブドウを栽培しています。栽培から加工、販売までの一連の作業を、就労機会として提供しています。自社農園での栽培や県内産にこだわった商品づくりが特徴です。働く仲間と共に試食を繰り返し商品化していくなど、「共に」考えて作り上げていくことを目指しています。自然の中でお互いを生かし合いながら共に成長し続ける営みを「自然体」と呼んでいて、「自然体でいきる」をパーパス(目的)に掲げています。他の事業所に比べて作業の種類が多いので、自分の好きなことや将来やってみたいことを見つけやすい魅力もあるかと思っています。自ら考え自身のやりたい事や夢に向かって進んで行って欲しいと考えています。働きながら利用者の方が心地よくいられる居場所を大切にしているので、卒業後も気軽に立ち寄ってくれる利用者が多くいて、今でも交流が続いています。共に学び、共に働き、だれもが生涯活躍できるコミュニティづくりを目指しているケアフィットファーム巨峰のドライフルーツ加工作業ケアフィットファームの概要や特色を教えてください。自社農園を始めた理由やきっかけは何ですか? 2016年に開所したのですが、その10年前に本部のある東京から代表理事ら有志がブドウ作りをしたいということで山梨との行き来を始めました。通っているうちに、甲州市の魅力やブドウの魅力を感じた半面、耕作放棄地の増加や高齢化による農業の担い手不足といった課題が見えて来て、何か力になれないかということで事業所を立ち上げました。耕作放棄地を借りたり、買ったりして、だんだん広げていったというのが自社農園を始めたきっかけです。(現在、農園はすべて合わせると2ヘクタール弱あります。一部野菜も作っています。2018年に醸造免許を取得しました。)農業を通じた支援の中で、大切にしている理念や考え方を教えてください。 農業の良さはたくさんあると思います。収穫の喜びがあり、それを食べた人たちと小さな幸せを分かち合えるという部分もあります。自然の中に身を置いて心を癒やしてくれますし、食のありがたみを伝えることもできます。農業は地域の財産です。就労支援の観点の中でこの地域で生きていく為に力になることを守り、与えられて生きるのではなく自分で考えて生きられるようにしたいと考えています。障害があるから、ないからではなくその人に合った支援を一緒に探し、少しでも安心して当たり前に楽しく過ごせるようにしたいと考えています。地域とのつながりや連携について、どのような取り組みをしていますか? 10年前は農福連携が定着していなかった為、最初はなかなか地域の農家さんには受け入れられなかったです。障害者への偏見も根強かったのかもしれません。少しずつ周囲の理解も広がり、フィルターがなくなっていったように思います。施設外就労でお手伝いに行くと、働きぶりに驚いて毎年お仕事の依頼をしてくれる農家さんが増えました。地域とのつながりを大切にしていて、地域の農家さんから、規格外の果物で商品化の依頼を受けるという仕事も増えています。なるべく地域の方と関わりがもてるように、地域イベントに積極的に参加したり、イベントも開いたりしています。今年はケアフィットマルシェを開催しました。Q.A.Q.A.Q.A.Q.A.
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